白内障の症状

白内障は目の中の水晶体が濁ることで、視力が低下します。ひとくちに「白内障」と呼んでいますが、水晶体の濁り方はひとりひとり違うため、白内障の方全員が真っ白な水晶体になっているわけではありません。ですので、自覚症状はさまざまです。

主な症状としては、「目がかすむ」といったものですが、次のような症状があれば白内障の疑いがあります。また、白内障だけでは痛みや充血はありません。


1,かすんで見える
2,まぶしくなる  明るいところで見えにくい。
3,一時的に近くが見えやすくなる。眼鏡が合わなくなる。
4,二重、三重に見える


水晶体の濁り方はひとりひとり違いますが、最初から水晶体全体が同じように濁ってくることはまれで、白内障の初期にはたいてい、濁っている部分と透明な部分が両方存在しています。

一般的に水晶体の濁り方として、水晶体の周辺部(皮質)から始まることが多く、中心部(核)が透明であれば視力は低下しません。

外から目の中に入ってきた光は必ず水晶体を通過しますが、水晶体が濁っている部分と透明な部分とで濁りの程度がまだらになっていると、光が乱反射してしまいます。そのときにはとてもまぶしく感じて、視力も低下します。

濁りが中心部に広がると、「まぶしくなる」「目がかすむ」ようになります。これは光の入ってくる方向によって症状が異なることが多く、多くの患者さんが「朝夕の散歩のときにとてもまぶしい」とか、「太陽を背にこちらに向かって歩いてくる人の顔が見えない」などと表現します。

中心部(核)から濁り始めると、「一時的に近くが見えやすくなる」ことがあり、その後「目がかすむ」ようになります。

また、患者さんによっては、近視が強くなってくることがあります。若い頃は遠くも近くもよく見えていた人が、中年になって老眼となり、老眼鏡なしでは新聞が読めなくなっていたのに、歳をとってから近視になり、老眼鏡が要らなくなったということはよくあります。

白内障がさらに進んで濁りが強くなると、網膜へ届く光が減少するので、視力も落ちてきます。 白内障による濁りが水晶体の端の部分にあるか、中央部分にあるかでも自覚症状は異なってきます。

水晶体の端のほうが濁っている場合、瞳孔が小さいときは光の通過を邪魔しませんが、瞳孔が大きくなると周辺の濁りの部分が光の通過を邪魔します。

つまり、明るいときには不便は感じないのに、薄暗くなるととたんに見づらくなります。

一方、水晶体の中央部だけに濁りがある場合、瞳孔が小さいときは光の通路がすべて白内障でふさがれてしまいますので、明るいところでは見づらく、暗いところでは瞳孔が大きくなり濁りの無い周りのほうから光が入るので見やすくなります。