白内障治療のガイドライン

白内障治療のガイドラインとして文献少なく、ここではその文献を噛み砕いて紹介します。

まず、白内障になった場合のマネージメントとしては、基本的に眼鏡度数調整、遠近両用眼鏡の作成、拡大鏡の使用、追加照明などで手術を行わないで視機能を向上させる方法と、白内障手術による根本的な視機能の向上を行う方法に分かれます。

薬物療法については各国とも白内障の薬物による治療および予防効果は基本的に明確な効果はないと述べています。

それでも眼科医が白内障の治療薬を処方するのは、定期的な眼科受診を促すきっかけにしてもらうためという意味合いが強いようです。

基本的に白内障手術をするかどうかは白内障が日常生活に支障を来たすようになった場合で、患者さんが白内障手術加療の利点欠点について理解し、手術の希望がある場合に限られます。

ただし、あまり進行してしまうと、後述のように、痛みが無く、短時間に終了する、日帰り可能な手術ができなくなる場合があります。

また、白内障が進むと水晶体の厚みが増し、そのせいで急性緑内障発作を起こしたりすることもありますから、むやみに手術を先延ばしにせず、適切な時期に手術を受ける必要があります。

ガイドラインによると、視力低下は白内障手術を決定する主な理由になりますが、水晶体起因性緑内障など水晶体が原因となって眼疾患を引き起こしているような場合や糖尿病網膜症、網膜剥離などの眼底疾患を有するような症例でも手術の適応となります。

白内障治療のガイドラインによると、手術方法は、大きな切開創を作成する計画的水晶体嚢外摘出術より切開創の小さい水晶体超音波乳化吸引術とそれに伴った眼内レンズ挿入術が推奨されています。

麻酔法が改善されたこと,超音波による水晶体摘出法が確立したこと、眼内レンズが安全に挿入できるようになったことなど、この十年間の間に白内障手術が画期的に進歩したため、痛みがなく、つらい思いをすることなしに白内障手術を受けることができるようになりました。

手術成績は各ガイドラインとも良好で、他に眼疾患の無い症例では95%、眼疾患を有する症例でも80%が視機能の向上が期待できます。

以前は混濁した水晶体の代わりに分厚い凸レンズの眼鏡やコンタクトレンズをつける必要がありましたが、最近では手術中に眼内レンズを安全に挿入することが可能となったため、術後快適な生活を送れるようになりました。